フクロウの映画日記(マドリード国際映画祭)
フクロウがパソコンで映画を見ている。マドリード国際映画祭のオンライン上映されている映画だ。
映画「夜光 〜ある定時制高校の物語〜」がノミネートされたことで、興味を持ったのだ。
マドリード国際映画祭には、映画「夜光」の他にも、日本映画が複数、ノミネートされていた。
例えば、俳優として活躍している神威杏次の監督作「スモーキーアンドビター」、大川隆法企画でファンタジーな世界観を見せてくれる「夢判断、そして恐怖体験へ」など、個性的な作品が揃っていた。
その中でも、際立って面白い作品があった。それは「ヌーのコインロッカーは使用禁止」という映画だ。
脚本・監督を務めたのは上西雄大という方で、映像劇団テンアンツを主催している。
この作品も舞台が原作となっていて、生まれてからすぐにコインロッカーに捨てられた発達障害の女性と、裏社会に生きる男性の物語だ。
彼らは過酷な現実を必死に生き抜こうとする。ただ、それが暗く陰鬱な感じにはなっておらず、むしろ彼女たちから「生きていこう」という勇気をもらえる。
さらに、脚本の技術の高さにも驚いた。調べたところ、上西氏は脚本家としても活動されているようで、納得した。
「障害」とは決して簡単なテーマではないと思うが、発達障害のヌーのひとつひとつの描写に、ちゃんとしたリアルさや魅力があり、良かった。
この映画はまだ日本国内で上映されていないので、結末含めて、全てをここに書くのは控える。しかし、ひとつ言えるのは、これは見るべき映画だということだ。
来年には、ユーロスペースや第七藝術劇場などで上映される予定とのこと。
そして、マドリード国際映画祭では、最優秀作品賞、外国語映画最優秀主演女優賞を受賞している。
恥ずかしながら、まだフクロウは上西監督の過去作を見ていない。
その作品群を見ながら、首を長くして、上西氏の新作を待ちたい。
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